わがはじ!

めんどいオタクのブログ。同人誌もやってるよ。

「君の名は。」この項目に該当したらとりあえず見に行こう

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お休みをもらった月曜日の午後。片頭痛がひどい。台風が近づいているようだ。それにしても、一回西行って、東戻って北へ。なんなんだあの「ちょっと時間潰してました」みたいな進路。台風までそんな気遣いをしたら、この国の気の利かない営業職勢は皆死んでしまう。やめてくれ。

 

まぁ、毎度のごとく趣旨と全然関係ないのだけど。公開から数日、もうすでに話題になっている「君の名は。」を見に行った。あまりにもキラキラしたジュブナイルSF展開に、くどくど語るのは野暮と思いつつも「新海アニメか・・・」「RADWINPSか・・・」「俳優を声優起用か・・・」とか、無駄な葛藤で見るのを躊躇ってる紳士淑女諸君の背中押しになればと淡々と書き始めている。

 

平日だった為、そんなに混んでないだろうという安易な予測に反し、TOHOシネマズ錦糸町は中高生で大盛況。あぁ、夏休み最終週か・・・と完全に世の中の流れを把握できてなさを実感。もう既にワッキャワッキャしてる館内の空気にひげ面のおっさんが乗り込む。指定席の場所を間違え「あれ、すみませんここの席ってJ列ですか」とJCに声をかける姿は完全に不審者。怪訝な表情で「違います」と言われしょんぼり。「「君の名は。」ってなんだか職質みたいだな」とか見る前から心が折れながら席に着く。

 

そして2時間後。ひげ面のおっさん、やはり泣き出す。隣JCの「面白かったねー」という感想の声を尻目に、ただただ頬を涙で濡らす社会人5年目。「あぁ、来てよかった。無駄なサブカルプライド捨ててきて良かった。」そうじっくりと感じる次第であった。

 

公開前、僕はトレーラーを見ながら「今回は見ないでいいかな」と本音では思っていた。だけど、そんなネガティブイメージを払拭する新海アニメ特有の美しい描写、SFながら崩れないストーリーの緻密さ、そして純真なボーイミーツガールのまぶしさ。それぞれの良さにそんな余計な懐疑は無駄なものとなる。

 

とりあえずネタバレは極力避けつつ、漏れ出たらごめん、てか下のほう一部漏れてる。そんなテンションで<下記項目に該当するオタはとりあえず観に行ったほうが良い>という自分なりのチェックポイントを簡単に列挙してみた。参考にしてみてほしい。

 

①「あれでしょ?要するに新海版「転校生」でしょ?」

いや、これまさに僕である。「シン・ゴジラ」を観たオタクなら「君の名は。」のトレーラーを見て、きっとそう思っていたのではないだろうか。どうも、ちゃんと事前情報をチェキラすれば、「転校生」とは違ったストーリーだという事は容易に分かるらしいのだが、劇場予告だけ見ると「入れ替わりもの→転校生」という安直な発想に行き着いてしまう病気が発症し、その誤解によって「行かなくていいかな」という結論にも行き着いてしまう。それはなんとももったいない。

 

当初、そう思ってはいたものの、周囲で既に劇場に本作を見に行った人が現れはじめ、感想を聴いてみることにした。

「実際「君の名は。」って「転校生」なんですか・・・?」

「いや、全然違うよ。ごっつんこないし。そもそも二人なかなか会えないし。普通に面白かったよ」

おお、そうなのか。「転校生」じゃないのか。とここで徐々に、見なくていいやメーターが下がっていく。むしろ、入れ替わりものというベタなテーマでここまで面白いと言わしめるなんて。ついでに、別の4コ下の後輩が見たという事で同じ問いをする。

 

「なぁ、どうだったよあれ。「転校生」っぽくなかった?」

「え?転校生?なんすかそれ。出てこなかったですよ。転校生なんて」

違ったベクトルでショックを受ける僕。マジか。転校生通じない?リメイクもしてたよねあれ・・・え、2007年?うそ・・・10年前じゃん・・・・。まぁ、そんなカルチャーショックもあり、とりあえず見に行こうと思った。その判断は正解だった。確かに「転校生」ではなかった。

 

神木隆之介君がごっつ好き

いや、これまさに僕である。そもそも僕は「ヤンデレショタ好き」という厄介な属性を持っており、過去にこんな記事も書いたことがある。

wagahaji.hatenablog.com

過去に闇を抱えそのまま成長したショタってすごい良くない?ってことである。特に神木君演じる「スペック」の一十一(にのまえじゅういち)なんか最高、時間を司る特殊能力で世界を制覇しようとするみたいな悪役なんだけど、狂ったような笑い方が非常に良い。「るろ剣」の宗次郎も同じくヤンデレショタであるし、まぁ、何が言いたいかって神木君の演技が好きなんです。それだけで延々とご飯食べれるのだけど、ここは本筋の「君の名は。」の話に戻すことにする。

 

今回、神木君が主人公のひとり<瀧>を演じているのだが、ミソは「入れ替わりもの」というジャンルだ。同い年の少女<三葉>の精神が瀧の身体に宿るシーンがある。つまり、神木君が「女の子の精神の男の子」を演じるのだが、これがマジで可愛い。中高生、目覚めてしまうぞこんなん。腐女子がホモを愛でる気持ちが、こんなに楽に理解できるなんて。妄想がいろいろと、マキシマムである。

 

そもそも「声優起用しないアニメ映画とかちょっと」ってベジタリアン的観方の方もいらっしゃるかもしれないが、純粋に美味しい飯あったら食べに行こうぜって誘いたい。相方、三葉を演じる上白石萌音さんも全く演技に遜色なく、東京と共に飛騨がひとつの舞台となっている為、彼女の方言が尚の事良い。

 

BUMP OF CHICKEN の「天体観測」を歌詞見ないで歌える

いや、これまさに僕である。「ちょっと待てよ、主題歌はRADWINPSでしょ?!」という御仁もいらっしゃるかとは思うのだが、もともと中学からBUMP OF CHICKEN聞いて育った世代が今回の主題歌聞くと「あれ?藤原さん・・・?」となる。こんなに似てたっけ声、むしろアレンジも。「RAD?BUMP?」という変な迷いで序盤に集中できなくなるという事案が、TL上の全国各所のアラサーから発せられている模様である。

 

しかしながら、この迷い。むしろ、全うなモノと僕は思った。BUMP OF CHICKENの初期代表曲「天体観測」の歌詞が本作にめちゃくちゃマッチングしているように思えるのだ。むしろ、僕は映画を見ながらこの曲を勝手に脳内で流していたのだけど、そのせいで泣いた。てか涙が止まらなくなった。むしろ、それを想起させる為にRADWINPSなのか?とか思ったほどである。

 

思い起こされるのは、新海監督の過去作「秒速5センチメートル」。これが公開されたのは、2007年。そのテーマ曲には山崎まさよしの「One more time,One more chance」を起用したが、この曲がリリースされたのは1997年である。10年前もの曲を作品イメージに当て込んだのだ。そして今回の「君の名は。」に対して「天体観測」は14年前の曲。なんとなく、なくはないかも・・・というオタの勝手な妄想を働かせているのだけど。ただ、歌詞は作品のメッセージ性とかなりリンクしていると、個人的に思っている為、見た人はちょっと覗いてみてほしい。

 

BUMP OF CHICKEN/歌詞:天体観測/うたまっぷ歌詞無料検索

 

④昔「幽霊の女の子に出会って、仲良くなるが、好きになった直後、最後に成仏して消えてしまう」という夢を見て、泣きながら目覚めて親にその話をしたら、ちょっと引かれた経験がある。

もう、飽きたかと思うが、これもまさに僕である。これについては、かなりいろんな意味で際どい話である為、言及するのはここまでにしておこう。ただ、経験したことあるなら見たほうが絶対に良い。

 

 

かなり適当に書いてきたが、まぁ最終的な結論としては、変な拗らせ方して躊躇っているのであれば早々に見にいけば、という話だ。しかも「「シン・ゴジラ」と平行して語られるべき」という評価も挙がるなど、見る人にとっては複雑な観方も出来る作品となっている。

 

ただ、純粋に中高生が見て「いやー、すげー面白かった!」「キュンキュンした!」「ノベライズまた読まないと!」という感想も本日、生の声で聴いてきた。なので、変にオタク的な身構えとか余計な考えを捨てて「これぞ2016年のボーイミーツガールだ」と裸一貫、楽しんでくるくらいの方が有意義な時間を過ごせるのかもしれない。