わがはじ!

めんどいオタクのブログ。同人誌もやってるよ。

コミケと大人と人生と

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とりあえずは2016年も終わり、全国的に2017年を迎えているようで。どこもかしこも謹賀新年、当然ながらコミックマーケット91も大晦日に閉幕した。某所では委託販売を称して4日目、5日目なんて言葉もあるけれども、とにもかくにも弊サークルも参加させていただき無事新刊は完売。遊びに来てくださった方々に多大なる感謝と、新刊を買ってくださった方には大いなる謝罪をここで申し上げつつ、新年の挨拶としたい。

 

ありがとう、ごめんなさい、そして今年もよろしく。

 

さて、そういうことで挨拶兼年忘れも済んだところではあるが、早速こんな記事と出会ってしまい、自分も少々、コミケ参加の過去に思いを馳せていたところである。

yet-still-here-we-are.hatenablog.com

 

コミケにおける日本社会的、集団主義的側面を見事に指摘しておきながら、そこに対して愛を注いでしまうという、なんだかロシア文学的なエッセイ記事である。内容について反駁・議論の余地はあれど、記事全般としての二律背反な精神性には確かに頷き、また惚れるところがある。

 

10年来参加し続けたという彼(彼女ぽいけど)とほぼ同等、僕も今年で参加12年目。気づいた時には自然と「え、当時生まれた子、小学校卒業してしまうん・・・」と呟き絶句しながら、コミケ参加歴で干支が一周するというオタクとして、ある意味での佳節を迎えたわけだ。こんな年数コミケに通っていれば、どれだけピーターパンシンドロームよろしくな中二病にかかっていようと、自分がサーティにアラウンドしてくる事を意識せざるを得ない。

 

僕も上記の方と同様、高校時代に初めてコミケに参加した。当時はmixiがギリギリ登場という時勢。なかなか学校以外のオタクと知り合う機会もない中で、友人伝いに有志隊を結成。オフ会みたいなノリで知らない者同士が供託し同人誌ゲットへ走った。僕も野球部の友人から「お台場に初日の出を見に行こう」と騙されて参加。そんなに長時間並ぶとは知らず、薄い装束で凍え死にそうになりながら、当時の巨大シャッター「あいすとちょこ」に並ばされるという仕打ち。普通なら「もう嫌」というのが正しいリアクションのところ、元来のMっ気が仇となり、それ以降もクセとなろうとは。一生が不覚である。

 

また実際にはコミケの度、出来る掛け替えのないオタ友たちの存在も嬉しかった。「俺は絵師になる」「漫画家になる」とかそんな絵空事を未明から語りながら、互いにどんなエロ本を買うかを綿密に打ち合わせをしたあの朝。あぁ、なんて青春。それぞれの夢や未来、そしてエロ。交錯する人間模様と自分の今、焦燥感を抱えつつぶつかり合ったあの日。もう一度美しいあの頃に帰れたら・・・そろそろ過去語りを諦めて現代社会に戻るとしよう。

 

10代の青臭い響きもすっかり消え失せ、気づけば30手前。リアルな話なのでぼかしながら書くが、五輪は3回通過し、時は2016年となったわけで。昨年度、東ホールの駐車場で出会った同志が2人結婚を果たす。実際、とても良い結婚式だったようん。また別の友人はエロゲ絵師として活躍、すっかり壁サークル主となり、ふぇぇである。また「漫画家になる」と豪語してた友人も、この冬コミにて10年近く連絡も取れてなかったところ再会し、しっかりと商業誌にて執筆をしているとのこと。また、当初よりお世話になっていた全く女気のなかった先輩サークル参加主も今年度の結婚予定を公表・・・え、ねぇ、どうした。

 

オタクとの自覚をもって15年。いよいよ、なんだかオタ人生の第2フェーズに入ってきている気がして、こんな駄文を書き散らしているまでである。結婚?仕事?あれ、僕ら単純にエロ本買い漁ってたじゃない・・・?過去の姿から徐々に羽化を始めるコミケで出会った同志たち。ふと自分を顧みれば、相も変わらず評論島で自分のツイートから下ネタ俳句をピックアップし歌集を作っている始末である。「きたねえww」「ウケるwww」という声に「そうっすよねwwwあざっすwww」と、ヘラヘラしてる場合なのか俺よ。大丈夫か。

 

去った元日、2017年1月1日の21時ころ。宴あとの東京ビッグサイトまで一人自転車で出向いて、真っ暗な逆三角を見上げては、冷たい風に微かな涙を散らす正月。もう一度、ここからやり直そう。その姿はタラレバ娘こと吉高由里子を想起させんばかりの形相。僕の明日はどっちだ。

 

こう書いていると「結局お前は婚活パーティに繰り出すのか、同人活動に精を出すのかどっちなんだよ」というツッコミを受けそうだが、もう遅い。そのテーマなど、去年から延々小さな自分が脳内会議で話し合っている。ただし毎度紛糾すると「シコって寝よう」が議決される為何も前に進まないのが玉に瑕だが、しっかりと審議が尽くされてから、というのが議会制民主主義の基本だからそっとしておいてほしい。『論語』にもあるとおり、子曰く三十にして勃つである。自慰ばっか繰り返しても全然平気なのが20代。サーティ以降に勃ってからが本物、などともう紛糾どころか、こんな話ばかりなので、早いところ誰でもいいから「バカヤロー」と叫んで解散させてほしいところである。

 

まぁ、何はともあれコミケ参加から12年。いよいよオタとしてもちょっとずつ円熟というものを考え出す頃合いと思いきや、コミケで買ったプリキュア同人誌を「このきらら氏、マジでシコれるわ・・・」とため息交じりに読み漁る年始を楽しんでいる。

 

一人暮らしのやけに寒い部屋。寝酒と防寒のために、焼酎のお湯割りを煽りながらよくもまぁこんな記事を書いているメンタルの一方で「え、なにこの結論。せっかく引用したのに、もっと良いこと言うと思ったんですが」と上で引用したブログ筆者に怒られやしないかとビクビクしている。

 

なんていうか、ネット普及以降、オタク文化が広く一般社会にまで広く浸透してきた現代社会において。鎌倉時代比叡山よろしく「籠ってればいいってわけじゃねえぞ」と宣った新仏教勢の如く、現代社会でのオタクという存在も在家的になりつつある気がする。レイヤー/カメコ文化なんてその最たる日蓮宗みたいなものである。

 

読んでる方は何が言いたいのか分からないとお思いだろうが、自分でも分からないのだから分かろうとする方が最早傲慢である。何にしろ少しずつ、時代が変わってきて。今日ビッグサイトに行ってみて今更気づいたのだけど、有明がんセンターの奥に東京タワーとスカイツリーが同時に見えた。「あぁ、初参加の時にはなかった画なんだな」としみじみしてしまった。そんなアハ体験を打ち壊すがごとく東には7・8ホールがそびえているし、僕らは今を生きなければいけない。とかく郷愁に浸りがちな自分の心に叱咤しながら、しっかりと月姫のリメイクを無視してFateに邁進するタイプムーンのコンテンツからも逃げずに、現代のオタクとして生き、価値ある1年にしていきたい。

 

ということで、改めて今年も申し訳ございません。次回は2月のコミティア出ると思うので、宜しくです。