わがはじ!

めんどいオタクのブログ。同人誌もやってるよ。

1週間でホロライブという沼にハマるまで

年齢のせいなのか、何かにとことんハマるという体験がとても有難く思う。
 
この頃、趣味全般に対する興味関心は薄くなり、何をしていてもどこか上の空という気持ちが支配的になる中。わずか1週間ながら、動画の視聴を延々繰り返したことにより脳内で「こんぺこ~」という声が延々再生され続けるというのは、何か脳の病気か、純粋に沼ったかのどちらかと言える。
 
ホロライブというVtuberプロダクションの動画にハマった。自分でも驚くほど。いや、どうせすぐ飽きるのではないか、という疑いはあれども、今高まっている熱量は文章にしてしまった方がいい。ということでタイトルの通り、書いていきたい。
 
きっかけは先週。「ホロライブ飲みをやるから来てね」という友人の誘いだった。さも僕が、ホロライブというものを好きかのように話は進められるが、さて、ホロライブとは。ていうか、何を指す単語なのだろう、ラブライブの続編だろうか。いくつか脳内で候補を挙げては首をかしげていると、友人からフォローを入れるように通知が入る。
 
Vtuberにハマっててさ」あぁ、Vtuberのことなんだ。まぁ、よくわからないけれど、酒が飲めるなら行くか。そう考え、適当に「分かりました、調べておきます…」と返す。これが11月2日、つい一週間前の出来事だった。
 
ていうか、何故僕は誘われたのか。そういうのは本来、既にハマっている人間同士が盛り上がりたいという意向でやるもんだろ。と内心文句半分、何も知らないまま盛り上がられても癪なので「ホロライブ」Youtubeの検索バーに記入する。
 
今思えば、おススメ動画も何もなく、とかく「学んで来い」という相手の姿勢がよくなかった。逆に反骨心というか、変に負けず嫌いな性分に火をつけられてしまう。昔から天邪鬼な気質で、丁寧なおススメプレゼンテーションには逆に足元を見てしまったりするが、勝手に学んでね、という姿勢にはむしろホイホイ自分から首を突っ込む習性がある。オタク特有の自滅気質である。
 
いくつか動画を見て、コンテンツを調べていく中で、少しずつ概要をつかんでいく。なるほど、ホロライブってのは事務所の事なのか、ていうかかなりメンバーいるんだな…と軽く放心しつつも、おススメ動画を漁ってみる。数多くの配信切り抜き動画がある事は理解したものの、どれを見ればいいのか分からない。
 
キャラの数も多い上、「分かりやすい」「笑える」と銘打たれたシーンを見てみても、各キャラの前提知識がなければどれもイマイチピンと来なかったりする。詰まるところ、数年経過したコンテンツであり、それぞれのキャラ個性や関係性について、文脈が出来上がってしまっているらしい。それを踏まえなければ心から楽しむことは出来ない、という微妙な敷居の高さが存在するようだ。
 
学ばざるは、楽しむべからず。まぁ、そんな事は言ってないんだろうけれど、さっき事務所の名前を知った様な、ズブの初心者には多少の抵抗感があったのは確かだった。と、ここで心が萎んでいれば、こんなことになっておらず、やはり悪い癖で、どうも悔しくなってしまったのである。絶対に面白いと感じる所まで行ってやる、と意気込んでしまった。やはり完全に自滅である。
 
また、それら切抜き職人によって上げられている動画の数々は、質が悪いことに「これ知ってれば更に面白いのに」みたいな、予備知識の大切さを動画の中でこちらに醸してくるのだ。手っ取り早く現在最も有名であろう兎田ぺこらの実況動画を見ていれば「同期のメンバーや関係性を知っていたら尚の事面白いのに」みたいなことを仄めかしてきたりする。
 
更に、同期がいるという事は、先輩や後輩がいるという事で「さくらみことのコラボではこんな一面があるよ」とか「大空スバルとやるとこんな感じ」とか。油断しているうちに、コラボ相手の事を知りたくなり、そちらのメイン配信を見だす。そちらのメイン配信にやってきたコラボ相手が気になり、また覗いてみる…
 
以後これの繰り返しとなる。ここまで堕ちれば、もう逃げられない蜘蛛の巣が完成しているんだなと、自分で書いていて思った。いくら掘り下げても、動画は尽きることなく湧いてくる。どう足掻いても、絶望なのだ。
 
必死に学んだ末、迎えた飲み会。約30時間で得た知識ながら、現在の推しは淡々とした猫叉おかゆと、その対極にいるやかまし可愛い大空スバル。そのチョイスに多少引かれる始末。過去には催眠音源にハマっていたこともあり、ASMRに全く無抵抗で没入できる自分の素質が功を奏したようである。加えて、日々寝る直前まで動画視聴に勤しんだ結果、この日曜日は深夜までぺこらの声が延々脳内に鳴り響き、ついには不眠に陥り、最悪なテンションで今週の月曜を迎えた。何事も程度というものがあることを久々に学んだ気がする。
 
これ以上今ハマりかけているコンテンツの内容を、あの子がどうだとか、あの動画がどうだとか、にわかが宣うのも気が引けるのでやめておきたい。いや、めっちゃ語りたいのだけれど。それにしても、あまりにも一瞬で沼に落ちたため、正直言えば自分でも何が起こったのか判別がつかず、このような文章を残している次第である。やはりコロナ禍において、不足していたコミュニケーションやら、純粋に楽しそうな会話やら。そういう要素が、Vtuberというフィルターを通して入ってくることが心地よかったのかもしれない。
 
どうしても昔から三次元アイドルには没入しきれずにいた。楽曲は好きでも、とことんアイドルを推す、ということは何か自分の中で阻むものがあった。押すべき対象というか人間が見えすぎると、どうしたってメディア露出は増え、余計なモノまで見えてしまうし、見ようとしてしまう。恐らくながら、Vtuberという届きそうで、絶対に届くことのない距離感。ガチ恋勢には忍びないが、これが僕にとって心地のいいモノだったのだろう。そして、ここまで文化が成熟して人数も増え、ソロ活動というより仲間がいて、その中でわいのわいの盛り上がっている様子を見ることが、今の自分にとっては心の清涼剤になり得たのだと思う。
 
今後、どれだけこの沼に浸かっているかは分からないけれど、少なくとも今頭の中は、配信を見ていたいということで占められている。ころさんの復帰を祈っている。何か中高生の頃に楽器にハマったり、エロゲに没頭したり、というあの片鱗を再度味わえているだけでも、感謝したくなる、というのはやはり歳のせいなのか。しばらくは楽しみたい所存です。